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感動した!ジャズ漫画『BLUE GIANT 1~5巻』 石塚 真一 (著)

      2015/08/27

BLUE GIANT

』の石塚真一先生が生み出す新生ジャズ漫画『BLUE GIANT』

ジャズ。
テナーサックスに心を打たれた主人公の”大(だい)”世界一のジャズプレーヤーになることを目指してひたすら奮闘する漫画。

BLUE GIANT レビュー01

ただそれだけ。
本当にただそれだけで、ひたすらにまっすぐ進んでいくだけなのに、最高に面白い!

本筋が単純なだけに、主人公の大の性格や周りの人たちとの関わりなどを非常に丁寧に描かれていて、1巻の時点ではちょっとうざい性格だなぁなんて思っていた大のことが2巻、3巻、と読み進めて行くうちにいつの間にか大好きになってました。

5巻まで読み終えた後にすぐにまた1巻読み直して、うざいと思っていた部分まで
「くぅ~ここが大の良さなんだよなぁ!」
なんて思いを噛みしめながら読んじゃってて、もう完全に心を持ってかれました。

この漫画自体も主人公の大が奏でるジャズに周りの人々が魅了されていくシーンが数多く描かれているんですけど、俺もこの漫画を読んでいて、どんどん魅了されていきました。

読んでて本当にすげーなぁと感心するし、俺の中の「このマンガがすごい!」があるとすれば2015年は間違いなくこの漫画が一番だと思います。

俺は漫画を評価するにあたって、良いマンガの条件のひとつに”わかりやすさ”を重点に置いて考えているんですね。
一部のコアなファンや鋭い人が
「これは○○っていう裏のメッセージがあって~」とか
「この××のセリフには△△の意味が込められていて~」みたいなやつ。
そういう”わかる人にはわかる”みたいなのも面白いとは思いますけど、ある程度どんな人が読んでも作者が漫画に込めたメッセージをいかに上手に読者に伝えるかも大事な要素だと思うんですよね。

そんな中で、このBLUE GIANTはちょっとわかりにくい点が多いんですよ。

だけど迷いなしの★5!

わかりにくいところも、あえて詳しく説明しないことで読者側の想像を盛り上げているといった感じ。
まあ俺がこの漫画にハマったからそう評価できるだけで、嫌いな漫画なら同じ条件でも
「わかりにきーんだよ糞マンガがよー!!」
って評価してるんでしょうけども。

例えば作中で主人公の大は同級生の三輪舞ちゃんと関わり、次第に仲良くなっていきます。

BLUE GIANT レビュー02

ただこの次第に仲良くなっていくところで二人の関係の説明は終わり、後に大が回想で三輪舞ちゃんのことを思い出した時には二人はより親密になっていて、もしかしたら付き合ってるのかもと思える程の関係になっているんですね。
そこにはあえて描かれなかった二人の空白の期間があり、どんどん親密になっていく二人の仲を読者が想像できて、大の性格なんかが詳しく描かれるよりも、より愛着が持てたりするんですよね。

まー俺の糞みたいな文章じゃうまく説明できないですけど、この漫画を読んでもらえば伝わるはず!
なんて熱く語れちゃうほどこの漫画は惹きこまれるし、熱い大や周りの人物に感化されます。

この漫画は努力しているシーンをとても丁寧に描かれていて、毎日毎日サックスの練習を繰り返す大を見ていると一流になるってこういうことなんだなぁ、なんて一流になる人は皆こうして努力してきたんだということを思い知らされて、自分が努力から逃げてきたことを思い出し、チクチクと刺激されます。
でもそんな糞な俺とは違い努力し続けることにめげない大を見ていると、またどんどん好きになっていくし応援したくなるんですよね。

そしてこの漫画のもう一つ面白いところは巻末に毎回、大の周りの人々の未来が描かれていてインタビュー形式で大のことを聞かれていて、そのことについて語っています。
刃牙でお馴染みの形式ですね。

刃牙 インタビュー

そして、そこで語られている大はすでにジャズプレーヤーとして大きく成功していることが判明しています。

BLUE GIANT レビュー03

まー漫画なんだし、大体基本的にはハッピーエンドに向かうし、ルフィがゴムゴムの実を間違って食べちゃった時から、いつかはルフィが海賊王になれちゃうこともわかっているわけだし、だからこの漫画だってこんなページがなくたって大がジャズプレーヤーになれることはわかってはいるわけですけど、でもこのページがあることでまた想像力を掻き立てられるんですよね。

本当に素晴らしいよこの漫画。
俺がハマってるからあらゆる点を良いように受け止めてるだけだけど本当に素晴らしい。
一人でも多くの人がこの漫画を読んでくれたらと思う程に大好きです。

 - ★5 , , , ,

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