連続ドラマ化が賛否両論の『DEATH NOTE デスノート 1~13(完)』 大場 つぐみ 小畑 健
2015年7月期から日本テレビ系でスタートする連続ドラマ「デスノート」
なんか原作のマンガでは天才大学生という設定だった主人公は普通の大学生に変更になったり、新たに作り変えられたロゴがすげーダサかったりと批判の声も多いみたいです。
俺も普通の大学生って設定変更はアホじゃないかと思います。
まーそんな話題になっている連続ドラマの原案となるマンガ「DEATH NOTE デスノート」
海外でもファンが多く、コア層も含めて非常に人気の高いマンガではありますが、かなりの過大評価マンガだと思います。
『DEATH NOTE デスノート』の作者
「あやつり左近」や「ヒカルの碁」で人気の小畑健先生に謎の原作、大場つぐみ先生がタッグを組んだ!!
と、まあそもそも小畑健先生は絵は凄く綺麗なんですけど原作をつけてのマンガばかり描いてまして、原作をつけないと「CYBORGじいちゃんG」ぐらいしか描いてないと思います。
で、そんな絵だけは綺麗な小畑先生と今回タッグを組んだ大場つぐみ先生ですが、大場先生の正体は「ラッキーマン」を描いたガモウひろし先生です。
これは一応は正式に大場つぐみ=ガモウひろし、とは発表していませんが、もう周知の事実ですね。
大場つぐみという名前の由来は、編集部にネームなどを持っていくも、不採用になる作家のことを「バツ組(×組)」と言われるそうで、ガモウ先生は何度も不採用にされることから「大バツ組(おおばつぐみ)」で大場つぐみになったとか。
それ以外にも大場つぐみをローマ字表記にすると「OOBATUGUMI」並び替えると「GAMOU(ガモウ)」と「OBATA(小畑)」になるとか…。
まあどこまで隠されたメッセージがあってこの名前になってるのかは不明ですけど、とにかく大場つぐみ=ガモウひろしなわけです。
つまり絵だけ綺麗で話はゴミな小畑先生と、絵は糞だけど話は作れるガモウ先生が組んだわけですね。
もうその時点である程度のマンガファンからは評価されちゃうんですよね。
ガモウ先生にはファンがとても多いですし、小畑先生も前作の「ヒカルの碁」でも大ヒットしていてその綺麗な絵に魅了されたファンが多いです。
『DEATH NOTE デスノート』の内容
前置きが長くなりましたが、話は死神が人間界に落とした「デスノート」という不思議なノートを拾った主人公の「月(ライト)くん」が”ノートに名前を書いた人間を殺せる”というノートの力を利用して色々な人間を殺していく。といったもの。
最初は法を犯した悪人などだけを殺していき「新世界の神になる!」なんて意気込む月くん。
そんな月くんですが、次第にノートに力に魅了されエスカレートしていきます。
その一方で犯罪者とはいえ謎の死が続く現象にICPO(国際刑事警察機構)は謎の天才探偵「L」に捜査協力を依頼し、犯人捜査が始まります。
そんなデスノートの力を使ってどんどん殺人を犯していく月くんと、謎の方法で殺人を続ける犯人を追うL側との頭脳戦の駆け引きバトル的な感じです。
話はどんどん盛り上がっていき、新たなデスノートを拾った人間が出てきたり、色々あって月くんがL側になったり…と二転三転する展開にはかなり惹きこまれますし、悪いことをしているのは当然月くんですが、そんな月くんを応援してしまう自分と、月くんを追いかけるLを応援する自分がいたりなんてしてそういった点でも非常に面白いです。
ただね、なんだかんだ言ってツッコミどころも多いんですよ。
デスノートという非現実的なものを利用した頭脳戦を描いている以上、そういったツッコミどころが出て来てしまうのは仕方がないことだとは思うけど、このマンガはそういうところをあまり指摘されないんですよね。
素晴らしい画力の小畑先生が魅せる絵と、あのガモウ先生が考えているストーリー、これはもう完璧な作品なはず!欠点はない!って空気が出来上がってるマンガ。
でも本当にこの二人のタッグは素晴らしいとは思いますけどね。この題材にはこの絵が最適だと思うよ。
ただ最初から最後まで完璧なデキで、最高に面白いかとなるとそうでもない。
だんだんとぐだぐだになってくるし、話も大きくなるからその分、無理やり感もかなり出てくる。
もう一つの魅力
でもそんなツッコミどころが多い中でもこのマンガが人気になるもう一つの理由が、主人公である月くんの人間味あふれる非常に豊な表情。
- 綺麗な月くん
悪役顔から綺麗な顔までほんと表情豊かです。
小畑先生の画力には関心します。
また、こんだけ色々な表情を作られるとちょっとギャグマンガっぽい雰囲気をほんの少し感じさせることで、話の中にあるツッコミどころなどは「まーそういうマンガだし」と読者に無理やり納得させる空気を作ってると思います。
結局のところ、やっぱり面白いです。
このレビューを書くために読み直したら止まらなくなりました。すっげー惹きこまれます。
出てくるキャラクターたちも、見た目から性格から個性的でそれぞれのキャラにファンがつくような作り方も人気の秘訣だと思います。
ドラマ化の期待
ドラマ化されることについて、正直ファンの方々からすればがっかりといった意見が多いと思います。
しかしその中で1話完結のオムニバス形式にして、ノートを拾った人間が殺人などを犯し、その後ノートの使い方に飽きたり、ノートによって不幸になって、はたまた実際に自分が死ぬことになってノートの所有権がなくなる。
それを何度か繰り返し最後に落ちたノートを拾ったのが月くんだった。で終わるドラマストーリーだったら面白いのでは?なんて意見があるそうで、確かにこれならファンも納得するかもなぁと思います。
まーただファンってのは喧しいので最初からオムニバス形式でドラマ化しまっせー!なんて言ってたらそれはそれで作品への冒涜だ!とかって文句言ってるでしょうし、そもそもそんなに神格化するようなもんではないはずだけど、それをさせてしまう「デスノート」という作品は小畑先生とガモウ先生の才能が濃縮されているんだなと改めて思わされました。
ちなみにそんな素晴らしい作品のデスノートですが、連載当初から人気に火が付き、そのまま人気が落ちることなく連載終了。
全12巻+キャラクターブックのような感じの13巻が出て、映画化なんかもされるなど常に人気を維持しているようにも見えますが、このドラマ化の話が出る前まではブックオフなどで100円で投げ売りされているのをよく見ました。
その理由には色々あるんでしょうけど、結局読んでみたら面白いけどもう一度読み返そうと中々思わないし、なんか飽きるわ。7巻ぐらいで飽きるわ。って感じなんじゃないかと思います。
俺も読み返して惹きこまれましたが7巻ぐらいで飽きました。
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