話題のジャンプ漫画『僕のヒーローアカデミア 1～3巻』堀越耕平 (著)

2015/05/26

超王道の少年漫画って感じで、そもそも題材が能力が使えるヒーロー達の話し。
いわゆる能力バトルですね。ジャンプおなじみの。

じゃーそんなジャンプで打ち切られ埋もれていった能力バトルものと何が違うのかというと、まず画力ですかね。
絵が非常に丁寧で綺麗。迫力もわりとあります。

そんで世界観もしっかり作りこまれてます。
この世界のほぼ全ての人が”個性”というなんらかの特殊能力を持ってて、その中でも秀でた人間がヒーローアカデミーに入ってヒーロー活動を行い個性を悪用してる悪者と戦ったりという、なんともワンパンマン的な部分もありますが、非常にわかりやすく入りやすい設定。

さらに最初から作中で最強のヒーローが登場しており、活躍もするというあたりも~~ワンパンマンみたいで~~とてもわかりやすいですね。
主人公はその最強ヒーローの弟子的な立場で成長していく感じ。

なので読んでいるともうほんと凄く読みやすく入りやすい王道の少年漫画って感じで、冴えない主人公が努力してヒーローアカデミーを目指し、幼なじみのライバルや入試試験で会う仲間達と共に見事学校に合格！という一連の流れはまさに『友情、努力、勝利』って感じでジャンプな感じがステキです。

ただ、じゃーそれ以上に魅力的なものがあるかというと大してなく、というか最強ヒーローはわざと特徴を出して描き分けてるんでしょうけどそれがダサすぎてげんなりする。

コラコラーって言ってるのが作中最強ヒーローです。

やっぱワンピースで言えばシャンクス的な存在なわけで、それぐらいのカッコ良さが欲しいですよね。まあこれはこれで悪くはないんだけど性格もヒーローってことでなんかいちいち暑苦しくてウザイです。

そして俺が一番ムカツクのが最近多い主人公オドオド系のキャラ。
もうさ、ほんとうんざりする。
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」みたいなこと言いながら立ち向かう的なやつね。ほんと嫌い。

やっぱ主人公こそ強気でいって欲しいわけよ。
ピンチのシーンで読者が大丈夫かな？どうなるんだろ？って心配になっても、こいつ（主人公）ならなんとかしてくれる！って思って読みたいんだよね。
どうせ基本は勧善懲悪でどんな敵だろうが主人公は勝つんだけどさ、その勝つまでの流れで
「悟空が来たからには大丈夫だ！！！やったー！！」って読者に思わせるのと
「はいはい。どうせ今弱気な主人公でも最後は立ち向かって勝つお決まりのパターンでしょ」って思わせるのとでは大違いなわけで。
そういう意味でこの漫画の主人公にはなんの感情移入もできないゴミ！って感じです。主人公の能力もすげー基本的なパワーキャラだからほんとこいつが出てくるだけでつまらなくなる。
弱気なキャラって最初はおどおどしてても頑張るんだ！立ち向かうんだ！みたいな感じで良いかしらんけどすぐに同じパターンで飽きるんだよ。
碇シンジの性格は糞だって荒木飛呂彦と宅八郎も言ってました。ほんとそう思います。

まーでも基本的なバトル物の少年漫画としては非常にクオリティが高く、敵キャラもそれなりにカッコ良いです。