きんぼし　1巻～3巻（完）

2015/05/15 2015/05/26

きんぼし（1） (ヤンマガKCスペシャル) コミック – 2008/10/6
明石英之 (著)

俺の大好きな漫画の中の一つ。
熱いスポーツ漫画を読みたいんだけど良いのない？って人がいたら是非オススメしたいです！
まあでも実際何人かには半ば強制的に勧めて読ませて、不評でした。くそ！
そして誰かに貸したまま漫画は紛失しました。まーブックオフとか行けば100円とかで売ってるだろうし良いか。ってぐらい低人気でした。

高校相撲部のお話です。最初から最後まで、それ以下でも以上でもなくしっかりと高校相撲部というメインのテーマにそって描かれています。
というか最後は打ち切りなんだろうし本当は作者もっと色々描きたかったんだろうなぁ。
メインとなる主人公は二人いる感じです。

1巻表紙の新太君と

2巻表紙の蒼士君

もうなにが良いかって、まずみんなキャラが濃いです。
”相撲部”の話なので部員は5人出てくるんだけどそれぞれが別々の個性があってそれがしっかりと描かれてます。
それであるにも関わらず、物語は野球部のエースで調子乗ってた新太君が怪我から片目の視力が悪くなって落ちこぼれてるところを蒼士君が相撲部に引き入れるところから始まるんだけど、それ以外に部員を1人ずつ仲間にするだとかそういう少年漫画お決まりなうざったい展開はありません。
そういう展開もそれはそれで熱くて面白いんだけども。

そして新太君も蒼士君も別に喧嘩が強いとか女にモテるとかそういう個性も全くないです。
ただ調子乗っててうるさくて相撲とかダサい！ってなってるけど負けず嫌いな新太君と
ただ相撲ばっかやってて相撲やってて、相撲やってる負けず嫌いな蒼士君の二人が主人公なんです！
いやもちろんもう少し細かいところでそれぞれ性格に個性はつけてるんだけどね！
新太君はなんでもズバズバ言うし蒼士君はすげーおどおどしてるんだけど発言するってなったらすげー口悪かったり。
でもそれ以外特にないわけよ！野球部のエースだった新太は実は腕の筋力は並外れた才能があって…とか蒼士くんには今まで相撲界ではありえなかった必殺技があって…とか、そういうくだらない設定は全くない！だからこそただ相撲やる話だから熱いんです！

で、そんな二人と共にいる相撲部の他のメンバーがしっかりキャラ立ちされてて、ただのデブと、元小学生横綱のイケメンと、喧嘩強いってだけの奴の3人。
でも3人ともスレてたりとかそういう面倒なこともないです！実は暗い過去があって…とかそういうのもない！もう話の序盤で相撲部はしっかり完成してるわけよ！
なのに熱くて面白いんだから凄いよ！！
明石英之さんの最初で最後の才能。この人の他の漫画もずっと追って読んでるけど他は全部糞つまらんから。

まー話の流れとしても新太君が相撲部入る！
相撲強豪校の期待の新人である蒼士君の弟がやってくる！二人は不仲！
弟が連れてきた相撲部員達と主人公相撲部でちょっとした試合する！試合終わる！
打ち切られる！
っていう非常にスマートな流れ。無駄が一切ないですね。ってかほんともっと続いて欲しかったです。

ただその短い話の中にぎっちぎちに熱いスポ根精神が濃縮されてます。
すげーベタな話なんだけどキャラが立ってるから凄く引き込まれるんですよね。ほんとキャラって大事。
ふらっと立ち寄った古本屋とかで投げ売りされてると思うので見つけたら買ってみてください！ほんと面白いよ！