予告犯 1巻～3巻（完）

2015/05/14 2015/05/26

予告犯 1 (ヤングジャンプコミックス) コミック – 2012/4/10
筒井哲也 (著)

なんかこれも映画化されるみたいで。ほんと映画業界はネタがないんだなって思う。
ネットを利用した犯罪者がテーマなんだけどさ、もうなんかこういう系の漫画は飽和状態だろ。似たような話しばっかでくっだらねーなーって感じだよ。
そんなくだらないテーマの中でも読者を引き込んで面白く勘違いさせるのが作者の力だと思うんですけど、そんな中で「マンホール」とかでもお馴染みのつまらない漫画を描かせたらピカイチな筒井哲也さん。
この人の描く漫画はほんと盛り上がらないんだよな。誰にも感情移入できずに終わる感じ。
登場人物とかダッセーんだよほんと。今回も刑事はすげー仕事できるキャリア組な感じの女刑事。もうその設定がダサい。もう登場からダサい。
なんでグラサンとかかけちゃうの？なんで腕組んじゃうの？最後のコマのセリフとかもう笑える程ダサい。
でもこういうレベルのダサさって普通に読んでる分にはそんなに違和感を感じないんだよね。なんかちょっとダサいなーって思いながらもすらすら読める。
ただそのダサさを色んな場面で細かく散らしてくれるから読み終わった後にはつまんなかったなぁって感想が残る。さすがだわ。

この後もひと通り話しのテーマを登場人物が説明口調で語っていって、さらにネットがよくわからない読者にも理解できるように、あえてインターネット？なんだそれ？みたいな馬鹿おっさんキャラを出して、そのキャラに対して他のキャラが説明することでキャラクターを通して読者に説明する感じ。その手法も古いしダサいって感じ。2時間ドラマかよ。
なのにネットに詳しい読者に対しても「ほら、作者の俺ってこんなことも知ってるんだぜ～ネット通だろ～」ってメッセージ感の強い用語を出してきたりとか、2ch的なネタを入れてきたりとかの媚売ってる感じも腹立つしダサい。
ほんと成長しねーなこいつ。

こういうギャグのつもりなのかなんなのかよくわからんシーンもダサい。いちいちコーヒー吹くな。ドリフかよ。

まーでもなんだかんだで最初の風呂敷広げる感じは上手いんだよ。やっぱ1巻読み終わったあたりまではどうなるのか気になるもん。ダサい浦沢直樹って感じ。
でもその風呂敷を広げるのがさ、目一杯広げてぐちゃぐちゃにして捨てるのが浦沢直樹。
もうちょっと広げて欲しいところで急に畳み始めるのが筒井哲也って感じ。
こっちからしたらおっ、おっ、って引き込まれ始めたところであぁ…あぁ…って急に冷めさしてくれる。でもちゃんと風呂敷畳むあたり浦沢直樹よりもよっぽど良心的だけど。

そんな感じで気付いたら特に盛り上がらないまま話しは終盤を迎え、みんなダサいからどのキャラにも愛着もわかず、感情移入もせず、話しはしっかりオチもついて読み終わってみると「つまんなくもないけど面白くもないなぁ、ってかつまんなかったのかなぁ」って感想が残る。不味くもないけど美味くもない。味がしない。
そんな味がしないスルメをくちゃくちゃ食わされながら作者のどや？ワイ凄いやろ？どやっ！？って感じが伝わるからイライラすんだよ。俺この人ほんと嫌い。

でもこの人の描いた漫画は今のところ全部読んでるんでまた何か描いてくれたら読むよ。